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第4文型 も 第3文型 も、ワンパターン!

第4文型:S+V+IO+DO と 第3文型:S+V+O+Mの書換は、

S-V-O-P ワンパターン!

まず,次の(1)と(2)のaとb の文を比べてみてください。

(1)  a. The hotel clerk found me a quiet room.

   b. The hotel clerk found the quiet room for me.

 (2)  a. The clerk gave me the room key.

      b. The clerk gave the room key to me.

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伝統的な文法指導では

「a の文と b の文は、同義である」

と説明しています。そして

a. を第4文型の「S+V+IO+DO」、

b. を第3文型の「S+V+O+to/for O」

と呼んで、書き換え練習をさせています。

また、ちょっと突っ込んだ説明では、位置変化構文、授益構文,所有変化構文などと呼んで、伝統的な「直接目的語(DO)」「間接目的語(IO)」という用語の代わりに「第1目的語」「第2目的語」という用語を使うことを提案していたりします。

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このような用語を使った説明を聞いて、英語に興味を持つ方は非常に少ないと思います。

ですから、文科省は「文法中心の英語教育をやめて、英語を英語で教えれば良い」と言い、今年は高校1年生を、2017年には中学校で実施しようとしています。

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上記のような英語表現を、語順規則に関しての日本語での知識無しに、適切に理解できるようになるでしょうか?

あり得ません。

外国語の学習に、日本語での文法解説は不可欠です。

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けれども、それは、現行の五文型的な英文法ではありません。

なぜなら、現行の英文法に従った英語学習が十分に機能しているなら、「英語は英語で教えれば良い」というような混乱した発想にならないはずです。

現行の英文法が、英語学習に十分に機能していないから、いろいろな解釈法や学習メソッドが提案させてくるのです。

適切な理解はVSOP英文法で!

このような混乱から抜け出て、適切に英語を理解できるのがVSOP英文法なのです。

では、どう理解するればよいでしょうか?

VSOP英文法の答えはいつも簡単です。

S-V-O-P : ワンパターン

で英語を理解すれば良いだけなのです。

 S-V-O-Pの語順規則の中で最も重要なのが、「O と P のネクサス関係」です。

 ここでは、第4文型:S+V+IO+DO」の文のワンパターンな理解のために

 O - P の関係が「haveの隠れたネクサス(Nexus)」を中心に説明します。

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O-[have]-P のネクサス(Nexus)

第4文型:S+V+IO+DOの文

(1) a. The clerk found me [have] a quiet room.

                   I  have a quiet room  元の基本ロジックの文

【和訳】その事務員が見つけてくれたのは、私が静かな部屋を持つように。

(2) a. The clerk gave me [have] the room key.

                   I   have the room key  元の基本ロジックの文

【和訳】その事務員がくれたのは、私がその部屋の部屋を持つように。

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今の英文法的に言うと、IO-[have]-DO になっているのです。

このことは、慶應義塾大学の田中茂範教授も、「文法が分かれば英語はわかる」の中で説明しています。

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さらに、第3文型:S+V+O+M の形で使われた場合は、

(1)  b. The clerk found the quiet room [was/came] for me.

                      The quiet room was for me. 元の基本ロジックの文

【和訳】その事務員が見つけてくれたのは、静かな部屋が私に向かってくるように。

(2)  b. The clerk gave the room key [came] to me.

                      The room key came to me. 元の基本ロジックの文

【和訳】その事務員がくれたのは、その部屋の鍵が、私にやってくるように。

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今の英文法的に言うと、O-[was/came]-M になっているのです。

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主語・述語の関係が違っていますから、当然意味も違っています。

「同じような意味」ですが、発話者の意図は全く違います。

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have 、was、came という基本ロジックを表す言葉(v1)が隠れて「主語・述語関係を作っている」と考えると、a. のタイプの文も、b. のタイプの文も目的語(O) の後ろの部分の論理的関係は同じになっていることになります。

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ですから、これらのOの後ろの部分を統一して叙述語(P)と考えると、

 

O-[v1]-P

 

のようにまとめることができます。

 

このように、ワンパターンで考えられるのがVSOP英文法です。

 

つまり、

 

第4文型:S+V+IO+DO も 

第3文型:S+V+O+M(副詞[句])も

 

S+V+O{=S}+[v1]+P

 

というワンパターンになっているのです。

 

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※このように「英語全体を統一的に考えることができる」ということは、VSOP英文法が世界で初めて見つけたもので、「Get The Real...英語参考書」のChapter 9に書いてあります。

OとPは、判断詞(V1)の抜けた主語・述語関係になっている場合が非常に多いのです。

この判断詞(v1:do・be・have・come・go )の抜けた主語・述語関係をネクサス(Nexus)と呼びます。

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現代的な言語分析である生成文法の創始者的な存在の「ノーム・チョムスキー」は、このような「隠れた論理関係」について言及をしてはいますが、「英文が全体がワンパターンで構成されている」という結論には至ってはいません。

むしろ「非常に難解で、学者が専門的に研究していっても異論がたくさん生み出される」ような考え方を作ってしまっています。

つまり、生成文法は、日本人の英語学習には役に立たない「理論のための理論」なのです。

※エイヴラム・ノーム・チョムスキー(Avram Noam Chomsky):アメリカ合衆国の哲学者、言語哲学者。

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 VSOP式に考えるとどのように良いことがあるか?

 まず、ワンパターンで理解できるようになります。

英語の基本文を理解するには

 {Sが-Vする/なる/であるのは-Oに対してで}- [それは] Pで です。

 という一通りの訳し方を身に付ければ良いだけです。

 

次に、難しい英文法用語が要らなくなります。

 授与動詞構文、二重目的語構文、位置変化構文、所有変化構文、授益構文などの難しい文法用語は要りません。ネイティブ・スピーカーがこんな言葉で考えているわけはありません。

 

最後に、言い換え表現ができる動詞とできない動詞の区別が簡単に付くようになります。

 

英文は、ワンパターンになっている

第4文型:S+V+IO+DOの間接目的語(IO)は、「生き物」でならないことになっているのですが,「何故?」でしょうか?

 これは、IOが主語になっており、その叙述(P)がDOと呼ばれているのですが、

IO-[have]-DO  「ID(人)がDO(物)を持っている」と表現しているからです。

 (5) ○ I sent the desk clerk(人) a brunch of flowers(物).

              私が送ったのは、その受付係が、花束を持つように

 (6) × I sent the counter desk(物) a brunch of flower(物).

    私が送ったのは、その受付の机が、花束を持つように。  ⇒ 意味不明

 場所であるthe counter deskは物ですから、花束の所有者にはなれません。

the counter deskを「比喩的に『受付の机の人』を指してる」と解釈すれば成り立つことになりますが、かなり無理がありそうです。

 ですから、問い返しのとき、IOの場所にwho(どんな人)を使えます。

 ○ You sent who a brunch of flowers.

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 「S+V+O(物)+for 人」の形

(1)   のb のように「S+V+O(物)+for 人」の形では,前置詞forが使われていますから、O(物)が、利益として人に与えられていることを表しています。

 

(9) Shiori made some sandwiches for her boyfriend.

 

(9)では、her boyfriendは、詩織によって作られたサンドイッチによって、いろいろなタイプの利益を受けることが考えられます。

しかしながら、

(10) Shiori made her boyfriend some sandwiches.

(10) の文では、IO(人)が、DO(物)を、所有(have)することになると言っているので、「her boyfriendが手に入れる」という意図で詩織は作っています。

これは、意図があれば十分なので,結果的に、her boyfriendはサンドイッチを受けとらなかった場合もおおいに考えられます。

 

(10) Shiori made her boyfriend some sandwiches,

              a. ... but somebody else ate them.

              b. ... but she ate them herself because they looked very delicious.

              c. ... but he refused to accept them.

 

というように、いろいろな場面が考えられます。

 

以下続く

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