ホーム > SVOP Lab.ブログ > ワンパターンな英語の考え方 > "middle position(中位)"の理解が英語のキモ!
"middle position(中位)"の理解が英語のキモ!
2010年12月 1日 西巻尚樹
読者の方より、
Q.専門書の原文の either と neither の位置について理解できません。
[現行の]英文法の参考書で調べると、neither は considered と surface の間に位置するのが普通と思いますが、この考えは間違っているのでしょうか。neither は原文どおりの位置でなければ誤りになるのでしょうか」
というご質問がありました。
VSOP英文法では、きちんとご理解頂けると思い、お返事をしました。
Q.専門書の原文の either と neither の位置について理解できません。
西巻尚樹先生の「世界に1つだけの英語教科書」をはじめ、ウイリアム A ヴァンス著(神田房枝監訳)の「英語で考えるスピーキング」、西村喜久著の「英語を前から・・・・訳せる本」などを読み、英語の勉強が少しづつ楽しくなっ てきました。 ところで、私、某化学会社の研究所を定年退職後、専門知識を活かすため、種々の顕微鏡を用いて、植物や昆虫の解剖図鑑を作成しています。日 本語の図鑑は一部できていますが、将来は英語版も出版したいと考え、アメリカの教科書や参考書を取り寄せ、勉強しています。その中に、どうしても理解でき ない語順の英文があります。次の一文です。専門語が使われていますが。
Plant tissues that are neither considered surface tissues nor vascular tissues, are referred to as fundamental tissue.(日本語的に訳すと、表皮組織と維管束組織に属しない植物組織は基本組織とよばれる)
英文法の参考書で調べると、neither は considered と surface の間に位置するのが普通と思いますが、この考えは間違っているのでしょうか。neither は原文どおりの位置でなければ誤りになるのでしょうか。
参考書や辞書を調べていると、either の例文ですが、次の一文もありました。
You can either pay now or later.
この文の either を pay と now の間に置くことはできないのでしょうか。
neither および either の他の例文は理解できますが、上記の原文の either と neither の位置について理解できません。どうすればいいかなと思っていると、西巻尚樹先生の「世界に1つだけの英語教科書」にメールアドレスがあったので、たずね てみようと考えました。
このような質問をするメールアドレスでないかもしれませんが、差し支えなければ教えてください。
よろしくお願いします。K. T.
A. この場合の "either と neither" は、middle position(中位)で使っています。
K. T. 様
ご質問、有り難うございます。VSOP英語研究所の西巻です。
拙著、ご購読ありがとうございます。
K. T. 様のような英語にご堪能な方よりご質問を賜り、まことに恐縮致しております。
さて、ご質問の「neither ~ nor の位置」に関してですが、原文の位置が適切かと存じます。
理由は、 that are neither considered surface tissues nor vascular tissues, での
neither の位置は「middle position(中位)」と呼ばれる場所で使われています。
neither は、この位置から後ろの considered を説明しています。
そして、 nor vascular tissues, という表現は、
nor [considered ] vascular tissues のように considered が省略されています。
英語は、「同じ言葉が重複する場合は、省略する」という約束があるのはご存じかと存じます。
現在の英文法の解説では、neither ~ nor は、通常、Black holes are neither black nor holes. のような例文で
「2つの事柄を相関的に表す」という程度の記述でしか言及されていない
ので気づかない方が多いのですが、
このような用例でも、 neither は middle position(中位)で使っています。
けれども、このような解説をお読み頂いても、「middle position(中位)」に対して概念と一定の慣れがない場合、直ぐにK. T. 様にご得心頂けないのではと危惧いたしております。
「middle position(中位)」が、英語の理解の肝!です。
middle position(中位)とは、今までの英文法では「頻度や程度の副詞は、 be 動詞の後ろ、一般動詞の前で使う」と説明される位置です。
ちょっと突っ込んだ文法書では、「be動詞 の後ろ、一般動詞の前の位置」は「middle position(中位)」と呼ばれているのですが、きちんとした説明は見たことがありません。
VSOP英文法の「S-V-O-P:ワンパターン」というのは、
この「middle position(中位)」の精密な分析から得られた結論なので、
このmiddle position(中位)という位置概念が、VSOP英文法の中核的要素ですが、
一般の文法では、適切な説明に至っておらず、ほとんどの方はご存じないようです。
それは、「主語の後ろを動詞」としてしまっているために、middle position(中位)が適切に説明できないからです。
「このことが、英語の理解の大きな妨げになっている」というのが、VSOP英文法の主張なのです。
「be動詞 の後ろ、一般動詞の前の位置」が「middle position(中位)」なら、「be動詞と一般動詞は、働きが違う」はずです。
このmiddle position(中位)については、ご購読の「世界で一つだけの英語教科書」には記載しておりません。
その後発行した「Get The Real…英語参考書」では、Chapter6 で中心的内容として説明していますが、neither については触れていません。
また、当会の「エッセンス講座」では、この「middle position(中位)」の位置が、英文をワンパターンに考えられるようになる肝」として詳細かつ論理的にご説明しています。
また、当会の講座「マスターコース:概論編」の「ユニット5」ではかなり時間を割いて説明しています。
VSOP英文法では、この「middle position(中位)」の使い方が、英語理解の最もカギとなると存じております。
ですから、きちんとご理解頂くには、VSOP英文法の考えている「判断語:[ V1+[Mid]+V2 ] 」を、それなりの時間を掛けて説明させて頂く必要があります。
K. T. 様の課題を今後スムーズに進行させるには、不可欠な内容かと存じますので、是非、一度エッセンス講座にご参加頂きご説明させて頂く機会が得られればと存じております。
今後ともVSOPにご注目頂ければとお願い申し上げます。
VSOP英語研究所
西巻 尚樹
以下は、Google で"are neither considered "と検索した場合の用例です。
【用例 1】
Are fingernails considered skin or bones? - Yahoo! Answers 1 Jun 2007 ... Fingernails are neither considered skin nor bones; they are actually CELLS. Fingernails grow from the matrix (the hidden part of the nail unit under the cuticle) and are composed largely of keratin, a hardened protein ...
>
【用例 2】
Enneagram Tests are Weaker than any Other Psychological Instrument. They are neither considered important nor have any kind of power behind them. They also claim that Gurdjiif simply believed that the figures 1,3 and 7 are the basic numbers for this universe. Some identification points are generated by ...
回答へのお返事メール
西巻 尚樹先生
早々と質問のご回答をいただき、ありがたく読ませていただきました。先生のご指摘のように considered が省略されていることも考えましたが、一貫性のある理解が得られなかったのが事実です。これを理解するために、私には 先ず middle position(中位)の概念を把握する必要があると思い、早速「Get The Real・・・英語参考書」を発注しました。
これまで総合図書館などに行って、ほとんどの英文法の参考書に目を通しましたが、適切な説明を見つけることは出来ませんでした。
先生のご回答で道が開けたようです。上記の本が手元に届けば、早速勉強します。
なお私の質問が何かに役立つのであれば、どうぞお使いください。
これからも よろしくお願いします。 K. T.
「Get The Real…英語参考書」ご購読のご感想メール
西巻尚樹先生
これまで疑問に思っていた neither A nor B および either A or B の例文(原書、辞書、英文法の参考書など)すべてについて、きれいに理解することができました。
今は、P のところに使用する文節に、前置詞をうまく使うことができれば、スマートな英文ができると思い、各前置詞の意味や例文を勉強し始めました。
以前から、また今も、英作文のときには、冠詞をつけるか無冠詞にするか、また複数、単数どちらが適しているのかなど頭を悩ますことが沢山ありますが、これも今までの不勉強のたたりと思って、参考書を読み返しています。
これからも、沢山の疑問がでてくると思いますが、その時はよろしくお願いします。
ほんとうにありがとうございました。 K. T.