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英語はギャル語 第2弾

前回の 「ワンパターンにならないための One Pattern」

「英語はギャル語」という記事が受けたので、第2弾です。


ギャルタレントとして売り出し中の小森純という人が、PV のためのダンスの練習中に

"できない! やりたくねー、嫌だ!"

と言いだしたそうです。

"女優じゃないし、ダンサーじゃないですから!"

と理由でした。
「ドア日新聞」より

http://ck.mailmag.livedoor.com/ck/20100020833aa6e5c1f2439ed6/

これは、英語の語順そのままなので

英語に訳し易いようです。

将に「ギャル語語順」を、そのまま英語にすればよいのです。

「やりたくなねー」は、

I'm not up for it.

直訳すると「私が上がった気分になっていないのは、それに向かって」

for it. の it  は、その場で「やりたくないこと:対象」を表します。

この場合は、「ダンスの練習」ですから、for practicing dancing になります。

日本語と英語の違い

ここで注意が必要なのは、

日本語の  「やりたくねー」

英語の   I'm not up for it.

構造上の違いです。

日本語では「やりたくねー」とだけ言って
「やりたくない対象を言わなくても」通じますが
英語では、I'm not up!  だけでは通じません。


「話し手の判断」の部分は漠然としている

なぜなら、I'm not up! だけだと、

「起きていない」、「責任がない」、「準備ができていない」など

いろいろな意味になる可能性があり、「やりたくない」という意味だとは決まりません。

それは、
S is up  という言葉が「S が、[一定のレベルに]上がった状態になっている」と
漠然とした意味しか表さないからで、
その対象を言わないと、「意味が確定しない」のです。


これは、S is up. のような副詞[的小辞]の使い方に限ったことでなく、
英語の基本単語(動詞も同じ)に共通した性質です。

英語は

主語(S) 判断語(V) 対象語(O) という基本要素を組み合わせて

意味を作ります。

ですから、 for it という「判断の対象(O)」を言って、
初めて意味がはっきりするようになっています。


ただ、 for it  のままだと「その場に居た人」しか it の内容が分かりませんから、
it  の指し示している内容 practicing dancing を入れると

I'm not up for practicing dancing.

私、やりたくない、ダンスの練習、

となります。

日本語口語では、「主語」も「対象語」も言わない

英語では前記のようになるのですが、日本語では、まずこのようには言いません。

「私」と「ダンスの練習」を言わずに

「やりたくない!」

とだけ言って通じます。

逆に日本語で「私:主語」と「ダンスの練習:対象語」を言うと
多分、尊大に聞こえるでしょう。

日本語の日常表現は「やりたくない!=述語」だけで通じるようになっています。

このことは、英語を理解する上で、注意しなければならないことだと思います。

状況・理由の説明をきちんとする

そして、相手に発話の意図をきちんと伝えるためには、基本の S-V-O 、

I'm not up for practicing dancing.

に、「その説明内容(この場合は理由)」を最後に加えて言いましょう。

ですから、先ほどの「理由を加えて」整った文にすると

I'm not up for practicing dancing because I am not being either an actress or a dancer.
になります。


ただ、会話でこのような長い文を言うことは希です。

会話文は、いろいろな要素を省略して使うからです。

例えば、"ダンサーじゃないですから!"
という理由を言うのに

Not being a dancer.

でも通じますが、標準的な発話では

Because I am not being a dancer.

になります。


※ Not being a dancer. のように Because(接続詞)と、 I(主語)、 am(判断詞)を、まとめて省略する表現を、今の解釈法では「分詞構文」と呼んでいます。

このような使い方を、VSOP英文法的に考えると、簡単にきちんと理解でます。

それは、ワンパターンな使い方の一環だからです。


「特定の場面の会話表現=省略形」だけでは、応用が利かない

通じるからと言って、省略された表現しか知らなければ、いざ「きちんとした表現」にしようとした時、どうしたらよいのか分からなくなってしまうでしょう。

バイリンガル・スピーカーやネイティブ・スピーカーがよく言うのは

「日本人は、何が言いたいのかよく分からない」

という言葉です。

これは、「英会話のレッスン」や「お役立ち会話表現集」などで、

「その特定の状況に合わせて省略されている表現」

を覚えて使うからです。

状況が換わったり、前後の言葉が換わったりしたら、意味も変わったりします。

言葉の組み合わせ方が換わると、使い方も換わるのでから、その換え方の規則を身に付けたほうがよいでしょう。

言葉の組み合わせの規則の適切な理解=VSOP英文法的理解

は、英語学習に不可欠だと思っています。

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